プロフィットファクターで見たスプレッドボリンジャー戦略
前回に引き続き、日本株ETFを利用したスプレッドボリンジャー戦略の成績をご紹介します。前回は有名な米株指数を使い、日本株指数ETF(TOPIX)の「買い」戦略をご紹介しました。
今回も同じ米株指数を使います。スプレッドボリンジャー戦略は逆張り、米株指数に対して日本株指数が割安になったところで買います。この考え方は指数ETFだけでなく、個別株や他のETFでも利用可能であることは前回の投稿のとおり。
今回は、業種別ETF(TOPIX-17シリーズETF)を取引対象にしてみます。
一部の勝てた業種だけ紹介するものなんですので、17業種全ての成績を示します。
なお、評価はプロフィットファクター(以下、PFと表示)で行います。
PFは、TradingViewのストラテジーテスター概要欄にも出ている重要な評価指標です。
総利益÷総損失で計算することができます。
見方の基本は1.0(総利益と総損失が同じ、つまり純利益がゼロの状態が1.0)。それよりも上か下かで評価できるので簡単です。小難しい話をすると色々とあるのですが、まずは自分の成績(システムでも裁量でも)のPFが1.5を超えていれば、優秀と考えて良さそうです。
その中でも、2.0を超えてくるとかなり優秀。一つの単体ルールだけでは、なかなか2.0を超えるストラテジーを作るのは難しいかもしれません。追加のルールを2つ、3つ入れてトレードを厳選した場合に2.0を超えてくることが多いです。実は、一つの単体ルールだけだと、1.5を超えるのも大変です。個人的には、1.2とか1.3程度あれば、まず基本ストラテジーとしては優秀だと思います。それと、PFは色々な投資市場間(株、FX、コモディティ、株価指数など)で比較評価するときに便利な指標です。
前置きが長くなりました。こういった話は別の機会にしましょう。
では、17業種ETFのPFは下記のとおりです。
■食品(証券コード:1617):2.158
■エネルギー資源(証券コード:1618):1.681
■建設・資材(証券コード:1619):0.939
■素材・化学(証券コード:1620):2.058
■医薬品(証券コード:1621):1.511
■自動車・輸送機(証券コード:1622):2.155
■鉄鋼・非鉄(証券コード:1623):1.696
■機械(証券コード:1624):1.739
■電機・精密(証券コード:1625):1.565
■情報通信・サービスその他(証券コード:1626):2.162
■電力・ガス(証券コード:1627):0.778
■運輸・物流(証券コード:1628):1.066
■商社・卸売(証券コード:1629):2.687
■小売(証券コード:1630):1.683
■銀行(証券コード:1631):1.088
■金融(除く銀行)(証券コード:1632):1.603
■不動産(証券コード:1633):2.241
17業種中、
PFが1.0を下回った業種数:2
PFが1.5以上だった業種数:13
そのうち、PFが2.0以上だった業種数:6
となりました。日本株が上昇相場であることも後押ししているでしょうが、スプレッドボリンジャーという単体のインジケーターだけでもかなり優秀な成績になりました。
コミュニティのアイデア
WTI原油先物(CFD)のトレードにおけるサヤの重要性jp.tradingview.com
WTI原油先物(CFD)をトレードする際、絶対に注目すべき指標は限月別価格差(サヤ)です。サヤは、期近物と期先物の価格差を表し、需給関係によって変化します。
サヤの動きと需給関係
需要が供給を上回ると、期近物が期先よりも高くなり、バックワーデーションとなります。これは、市場参加者が近い将来の原油需要増加を予想していることを示します。
逆の場合、期先物が期近物よりも高くなり、コンタンゴとなります。これは、市場参加者が近い将来の供給過剰を懸念していることを示します。
WTI原油先物市場の現状と展望
ここ最近のWTI原油先物市場は横ばいに推移していますが、サヤは大きく変化していました。
少し前に逆ザヤになり、原油の需要は高くなってきています。
今後、原油のニーズは高いと考えられ、WTI原油先物市場は上昇を続ける可能性があります。
ロールオーバー時の注意点
WTI原油先物のベンチマークは毎月ロールするため、ロールオーバー直前は第2限月と第3限月の先物価格を比較する必要があります。ロールする前は、第1限月と第2限月の先物価格差に注目します。
日本株指数とスプレッドボリンジャー
米株市場と共に日本株も堅調ですね。
そこで、今回は日本株ETFを利用したスプレッドボリンジャー戦略をご紹介します。
皆さんもご存じのとおり、米株と日本株は相関が高いので、米株指数を使い、有効な日本株取引戦略を色々と作ることができます。そして、スプレッドボリンジャーを利用しても有効な戦略を作ることが可能です。今回はスプレッドボリンジャーを使った日本株指数ETF(TOPIX)の「買い」戦略をご紹介します。比較は有名な米国株価指数を利用します。
これまでご紹介してきたとおり、スプレッドボリンジャーは普通のボリンジャーバンドのように順張り・逆張りに利用することが可能です。順張りと逆張りのどちらが有効なのかは銘柄にもよりますし、戦略を作るときの皆さんの思想(作り方)にもよるでしょう。その時、TradingViewはストラテジーをバックテスト(過去検証)することができるので、これを使わないのは勿体ないです。
スプレッドボリンジャーの使い方も普通のボリンジャーバンドと同じで、インジケーター上下の赤のバンドの外側に出たところを利用します。普通のボリンジャーバンドとの違いは、2銘柄間のスプレッドを利用すること、あとは計算方法が少し複雑です。それに、普通のボリンジャーバンドに比べてトレード期間が少し短いでしょう。スプレッドボリンジャーは1週間前後のスイング・トレードに有効なケースが多いです。
今回の戦略は逆張りなので、米株指数に対して日本株指数が割安になったところ(インジケーターが緑色の領域)で買います。
個別株やETFは買い戦略が有効なケースが多いです。
そして、この考え方は指数ETFだけでなく、個別株や他のETFでも利用可能です。次回以降、いくつかの具体例をご紹介していきます。
NY金(ゴールド)取引でのスプレッドボリンジャー利用例
これまで、ETFや個別株、またはFXをスプレッドボリンジャーで取引する例を示してきましたが、スプレッドボリンジャーはコモディティ取引にも利用可能です。
今回はNY金(ゴールド)の例を示します。ゴールドと組みわせる銘柄は何か??ゴールドは様々な通貨ペアと強い相関があります。
今回はそれを利用してみましょう(皆さんも複数の通貨ペアが頭に浮かぶことでしょう)。
スプレッドボリンジャーは逆張りと順張りに利用可能ですが、今回はゴールドと参照通貨ペアとの間には正の相関があるので、順張りトレードで良いでしょう。
トレード手法はこれまでにも説明してきましたが、念のため確認しておきます。
チャート下部のインジケーターはスプレッドボリンジャー(日足)を表していますが、インジケーターの赤の背景色部分は標準偏差バンドの上側を超えている個所、緑の背景色部分はバンドを下回っている個所を示しています。
これらは全てPineスクリプトを利用して表現しています。
さて、赤色の部分ではインジケーター(黒のライン)が上方バンドを超えているので、ゴールドの上昇トレンド発生を示します。一方、緑色の部分では下方バンドを下回っているので、ゴールドの下落トレンド発生を示しています。
スプレッドボリンジャーがゴールドの上昇・下落トレンドを上手く表現できているのなら、その間のトレードはトレンド方向へ賭けた方が優位性があるでしょう。
そこで、検証の一例として、上昇トレンドの期間(赤の区間)ではデイトレードの買いのみを行います。一方、下落トレンドの期間(緑の区間)ではデイトレードの売りのみを行います。
それぞれ決済は引けで行うとします。
チャートは日足で表示されているので、1本の足の始値と終値で売買シグナルが表示されています。
検証結果を見ると、まだまだ十分でありませんが、スプレッドボリンジャーがゴールドのトレンド方向を上手く表現できているように感じます。
これに良い追加ルールを加えれば、さらに優位性のあるストラテジーに進化できる可能性が高いでしょう。
ストップライン ターゲットの考え方 シナリオを形成ストップライン ターゲットの考え方 シナリオを形成
マーケットの節目を軸足に、ストップライン ターゲットの分析の仕方を書きます。
※ 基本的に自分の備忘録として残しています。
1,マーケットの節目 価格推移で持ち合いになったり、BOX レンジ相場になった価格帯を示しています。一旦、そこをストップライン、ターゲットとして捉えています。
2,次に、チャートの終値の前後プラスマイナス 20-30をさせながら、ここをブレイクしたら、変化が起きるな。など、シナリオを形成してゆきます。
その時に、よく利用するのが、ラインチャート 終値だけを見ながら、次はこのラインがストップライン、ターゲットになるな。シナリオの下準備してゆきます。
3,シナリオを形成
最後に、基本的にはシンプルに、価格推移の形成から、次の展開を想像しながら、ブレイクラインを決めて、シナリオを形成してゆきます。
上げ三法 Nを探す 直近のマーケットシナリオ上げ三法 Nを探す旅中
上げ三法
上げ相場の第一段階。上昇のリズムで陽線の連続を作り、一旦、調整して3本ほど下落、今日の陽線の形成で、3本をはらみながら終えて、上寄りで前日の高値を更新してゆくと、本格的な上昇の可能性を示唆している。
Nを探す
毎回、チャートから、シンプルにNを探す旅をしています。
Nの価格推移、それとも、Nになりそうな推移を探しながら見ています。
米国金利も上げ三法を気配があり、Nの価格推移を形成が近いです。
直近のマーケットシナリオ
米国金利が大切な上値を超えるのか?注目しており、ドル円、クロス円、ドルストレートのトレンド発生を生み出し、やや株価の調整か、続伸なのか?商品 ゴールドの調整を促すのか?
注目しています。
上げ三法から考えると、トレンド発生が近い可能性を示しています。そのため、NY時間の終値、金利の終わりがどこで推移するのか注目です
マーケットタンゴ:「ツイステッドペア」ダンスの謎を解く
金融市場の大きなステージで、すべてのトレーダーは、彼らをうまくタンゴを踊らせることができるパートナーを探しています。「ツイステッドペア」インジケーターは、市場の変動の中で優雅に踊るパートナーです。それは市場のリズムを二つのラインで織り、トレーダーが市場のダンスフロアでリズムを見つけるのを助けます。
市場が静かで水のようであると想像してください。「ツイステッドペア」は、密接に絡み合った二つのリボンのようです。チャート上でほとんど重なり合って、静かなダンスステップを楽しむように囁くかのようです。「これは市場のコンソリデーション期間で、価格変動は顕著ではありません。トレーダーはリラックスして市場のすべての詳細をゆっくりと味わうことができます。
しかし、市場の指揮者はいつも突然のメロディーの変化を楽しんでいます。市場の変動が突然増加すると、それは音楽のリズムが加速しているかのようです。そして、元々静かなダンスフロアが突然活気づきます。この時点で、「ツイステッドペア」の二つのラインが分離し始めます。彼らは情熱に燃えるダンサーのように、それぞれに独自のダンスムーブを示します。これらの二つのラインが分離する瞬間は、トレーダーに「準備はできましたか?市場が踊り始めます。あなたのダンススキルを発揮する時です!」と伝えるようです。
「ツイステッドペア」インジケーターの変化は市場のセンチメントのバーメーターです。二つのラインが密接に接続されている場合、市場のセンチメントは安定しており、トレーダーは冷静に観察して機会を待つことができます。しかし、彼らが分離すると、市場のセンチメントが高まり、トレーダーは迅速に反応して利益を獲得する瞬間を捉える必要があります。
このインジケーターの計算方法は、慎重に編み出したダンスのようなものです。市場の動向を平均価格、取引量の加重移動平均、価格の短期偏差を計算することによって捉え、トレーダーが市場リズムに合わせることができます。
実際の適用で、「ツイステッドペア」インジケーターは静的なチャートラインではありません。それはより生き生きとしたダンスパートナーのようなものです。市場の変化を感じ取り、市場のダンスフロアでトレーダーに柔軟に対応を導きます。市場の静かな時期でも、変動性のある時期でも、トレーダーが賢明な決定を下すのに役立つ明確なシグナルを提供することができます。
さて、このコードの市場ロジックを自然言語で説明します。
- **HJ_1**: これは市場ダンスステップの基礎です。平均価格と取引量を計算して、市場リズムの調子を設定します。
- **HJ_2**と**HJ_3**: これらの二つのラインはダンスパートナーの腕です。彼らはスムーズな処理を通じて市場の長期的なトレンドをトレーダーが識別するのに役立ちます。
- **HJ_4**: これは市場センチメントの放大鏡です。価格の短期偏差を計算して市場の緊張感と興奮を明らかにします。
- **A7**と**A9**: これらの二つのラインはダンスステップのガイドです。市場の変動性が増加すると、彼らは分離し、トレーダーを正しい方向に導きます。
- **WATCH**: これはダンスのシグナルライトです。二つのラインが重なり合っているときは市場は静かです。彼らが分離すると、市場は活発です。
「ツイステッドペア」インジケーターは慎重に編み出したダンスのように、トレーダーが市場のダンスフロアで自分のリズムを見つけることができます。静かなスローダンスでも熱情的なタンゴでも。市場は常に変化していますが、「ツイステッドペア」は素晴らしいステップを踊り出すための完璧なダンスパートナーです。次に、この猫がこのインジケーターのTradingViewコードを紹介します。
この「ツイステッドペア」のスクリプトは、EMA(指数移動平均)、DEMA(二重EMA)、TEMA(三重EMA)の三つの異なるタイプの移動平均を使用します。これらのタイプは、ユーザーが取引入力を通じて選択できます。
このコードの主な機能は以下の通りです:
1. DEMAとTEMA関数を定義します:これらの二つの関数は、対応する移動平均を計算するために使用されます。EMAは、最近のデータにより多くの重みを与える特殊なタイプの移動平均です。最初の段落では、ema1は「長さ」のEMAであり、ema2はema1のEMAです。DEMAはema1の2倍からema2を引いたものです。
2. ユーザーがEMA、DEMAまたはTEMAを使用することを選択できるようにします:このコードの部分は、ユーザーが使用したい移動平均のタイプを選択するためのオプションを提供します。
3. 「ツイステッドペアアルゴリズム」と呼ばれる複雑なアルゴリズムを定義します:このコードの部分では、「HJ」という値を計算するための複雑なアルゴリズムを定義します。このアルゴリズムには、EMA、DEMA、TEMAの様々な複雑な計算と応用が含まれます。
4. チャートを描画します:以下のコードは、TradingViewでチャートを描画するために使用されます。plot関数を使用してラインを描画し、plotcandle関数を使用してキャンドルチャート(K線)を描画し、黄色と赤色を使用して異なる条件を表します。
5. 色を指定します:コードの最後の二行は、HJ_7の状態を表すために黄色と赤色のキャンドルチャートを使用します。HJ_7の条件が満たされた場合、キャンドルチャートの色は対応する色に変更されます。
スプレッドボリンジャーの検証例~引き続きFXの検証結果
今回もスプレッドボリンジャーのFXデイトレードでの利用方法をご紹介します。
前回までで豪ドル円は有名な株価指数に対して、逆張り対応すべきであるという検証結果になりました。すなわち、スプレッドボリンジャーで上方バンドを超えたらショート(インジケーターの赤の区間)、下方バンドを下回ったらロング(インジケーターの緑の区間)が有効ということです。これは、豪ドルはリスク資産、特に株式市場に連動しやすい通貨だと言われたりしますが、豪ドルが株価指数に対してスプレッドが乖離し過ぎると、それは修正されるということを示しているのでしょう。もしそうであるならば、豪ドルと円以外の通貨でも同じような結果になることが考えられます。そこで今回は豪ドル・米ドル(AUD/USD)でも同じような結果になるかどうかを確認してみました。前提は、
・これまでと同じ有名な株価指数先物を利用
・スプレッドボリンジャーの逆張りトレード
・デイトレード(日足利用、始値でエントリーし、その日の終値でエグジットしたと仮定)
結果は、豪ドル円以上の成果が出ているようです。ロングとショートの成績もバランスの良い結果が出ました。この結果を利用し、追加のアイデアを付け加えれば、さらに良い結果が出るかもしれません。
日足のスプレッドボリンジャーを利用することで、通常の場合、1日のデイトレードから数日間のスイングトレード(株やFXの検証では、概ね1週間前後)で有効な成果が出ることが多くなります。
新規失業保険申請件数と日本円の関係jp.tradingview.com
新規失業保険申請件数(4週移動平均)
米30年国債先物
日本円通貨先物
新規失業保険申請件数の増減と米国債価格の増減は、一般的には経済の健康状態や不安定性に関連していますが、直接的な因果関係はないと言われています。これらの指標は異なる経済要因に影響されますが、いくつかの共通点が考えられます。
1. 経済の健康状態
- 新規失業保険申請件数が増加する場合、これは通常、経済が減速しているか、不安定である可能性があります。景気後退や不況時に失業率が上昇し、失業保険の申請が増える傾向があります。
- 米国債価格の増減も経済の状態に関連しています。経済の不安定性が高まると、投資家は安全資産と見なされる米国債に資金を移すことがあり、それにより債券価格が上昇する可能性があります。
2. 金利とインフレーションの影響
- 米国債価格は金利と密接な関係があります。金利が上昇すると、債券価格は下落し、逆に金利が低下すると債券価格は上昇します。
- 失業保険申請件数の増加が続く場合、中央銀行が金融政策を緩和し、金利を低く維持しようとすることがあります。これは一般的に金利低下の状況と関連しています。
総じて言えることは、これらの指標は経済の状態を反映しており、同時期に発生することがよくありますが、直接的な因果関係はないと考えられます。異なる要因がそれぞれの指標に影響している可能性が高いです。
近年、日米の金利差が話題になり、米30年国債先物と日本円通貨先物がとても密接な関係になっています。つまり、アメリカにおける新規失業保険申請件数の増減は日本円には影響を与えています。